アメリカで人気のエンタメ賞もチャットボット導入、その狙いとは?

映画や俳優に授与される「アカデミー賞」は、みなさんご存じの有名なエンタメ賞です。一方で、ピープルズ・チョイス・アワード(PCA)はご存じでしょうか?

アカデミー賞では、映画業界関係者の投票で授賞対象の映画を選出しますが、PCAでは「インターネット経由の一般投票」によって、映画、テレビ番組、音楽、有名人を選出します。毎年2000万人以上がWebサイト、モバイルアプリから投票する、米国で非常に人気のあるエンタメ賞です。

PCA 2017では、新たな試みとしてFacebookメッセンジャーのチャットボットを投票手段として採用しました。

従来のPCAの投票は、ユーザーにとって少し手間がかかるものでした。Webサイトや専用アプリにわざわざアクセスしなければならなかったからです。

そこでPCA2017では、多くの人が日常的に利用しているFacebookメッセンジャーからチャットボットを利用して直接投票できるようにしました。投票の手間が減ったことで、投票数の底上げも期待できるでしょう。

チャットボットを活用した投票の流れ

チャットボットを使った投票の流れは、とてもシンプルです。

まずは投票したいカテゴリーを、「すべて」「映画」「音楽」「テレビ」「デジタル」の中から選びます。

たとえば映画を選択すると、2016年度の映画一覧が表示され、自分のお気に入りの映画に投票(Vote)できます。

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続けて別のカテゴリーでの投票をチャットボットが提案してくれます。たとえばお気に入りの俳優を選択して投票できます。

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またユーザーによる自由入力で、投票対象を選ぶことも可能になります。

チャットボット導入の狙い

なぜPCAはチャットボットを採用したのか?そこには投票の敷居を下げることで、投票数の底上げにつなげるだけでなく、投票してくれたユーザーに関する情報を蓄積するという狙いもありそうです。

PCAがチャットボットを展開しているFacebookでは、チャットボット用の分析ツールが提供されています。2016年11月14日に始まった新しいサービスです。

この分析ツールでは、自社チャットボットの正確なユーザー数、ユーザーの年齢・性別・国といった属性データを確認できます。さらにチャットボット内でユーザーがどんな行動をとったのかも分析できます。

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たとえば、チャットボットがどのくらい利用されたのか、どの時点でどのくらいのユーザーがチャットボットを離脱したのか、といった細かなデータを取得できます。このデータは、PCAの投票に関わるユーザー体験の向上や、投票数の増加に向けた戦略を練る上で重要な指標になるでしょう。

つまりチャットボットによって得られたデータは、重要なマーケティングデータとして活用できるということです。

そのためチャットボットは単なるコミュニケーションの自動化ツールとしてだけでなく、双方向性型のコミュニケーション、つまりユーザーからの意見を汲み取り、製品やサービスの改善に活用するところまで視野に入れて導入するべきだと言えるでしょう。