ウーバーが機械学習による予測精度を強化、4年ぶりの大改修で

米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズが、配車アプリのデザイン改修を進めていると発表した。複雑化していたUIの簡素化に加え、機械学習技術を活用した各種予測機能の追加を含む大規模な改修となる。同アプリのデザイン改修は2012年以来4年ぶり。

同アプリは2011年に公式に公開されて以来、機能やサービスの追加によって

UIが複雑化。従来のトップ画面には、ハイヤーの配車サービス「UberBLACK」や低価格配車サービスの「uberX」、相乗りサービス「uberPOOL」、SUV(スポーツ用多目的車)を配車する「UberSUV」といった複数のサービスが乱立していた。

今回のデザイン改修では、こうした複数のサービスを「Economy」「Premium」「Extra Seats」の3カテゴリーに集約することで、UIの簡素化を図っている。

またユーザーによる過去の利用データと機械学習技術を組み合わせることで、使い勝手をより向上させているという。

例えば新機能「shortcuts」では、ユーザーの過去の走行パターンを解析することで、最適な目的地を自動で表示してくれる。仕事終わりの18時にアプリを開いたユーザーであれば、自宅や子供の学校、よく行くバーなどが表示され、ワンタップで目的地を選択できるといった具合だ。

またユーザー周辺の交通量や工事状況などのデータを活用し、最適なピックアップポイントを表示することもできる。参照元となる過去の交通データの数は、約20億件にも上るという。

同社のデザインディレクターのDidier Hilhorst氏は、「ユーザーにとって時間は貴重だ。彼らの時間を尊重したい」と話している。

ウーバーはこれまでにも機械学習を活用したサービスを提供してきた。例えばフードデリバリーサービスの「UberEats」では、注文時の交通量や過去の注文記録を参考に、最適な注文先を表示するなどしている。

同社で機械学習関連の責任者を務めるDanny Lange氏によると、同技術の導入によって配達にかかる時間の予測精度が飛躍的に向上したという。

「当初のUberEatsでは、配達先までの距離や自動車の速度、調理時間を考慮した上で、配達時間を正確に予測することが難しかった。しかし配達件数が1万件に達したころから、データをもとにした予測モデルを構築できるようになった。それからたったの数週間で、予測精度を従来より26%も引き上げることができた」(Lange氏)。

Lange氏は、今年9月にサンフランシスコで開催されたスタートアップ関連のイベント「Disrupt SF 2016」にて、次のように述べている

「(機械学習技術によって)ニュートン力学から量子力学への移行に匹敵するほどの大きな革新が起きようとしている。”予測”や”可能性”といったことがより重要になる」。

またウーバーは、自動運転技術にも注力しており、今年8月には自動運転トラックの新興企業オットー社を6億8,000万米ドル(約700億円)で買収している。

人工知能関連技術を活用することで、人の手を介さない自動化の方向性を推し進めている同社。今回のデザイン改修に含まれる機械学習関連機能の追加も、その一環と言えそうだ。