チャットボットで難民申請、AI弁護士のDoNotPayが新機能、ネットでは非難の声も

英BBCから「ネット界のロビンフット」と称された期待のスタートアップ、DoNotPay。一般人では難しい様々な法的手続きを自動で担ってくれるチャットボットで、話題になってきました。

もともとは駐車違反の罰金取り消し申請をしてくれる機能から始まった同社のボットですが、その後遅延した飛行機や電車の補償請求、ホームレスの住宅申請、HIV患者への法的アドバイスなどへジャンルを広げています(筆者もいくつか試してみましたが、30秒ほどで入力済みの各種申請書が出てきます)。

一貫しているのは、テクノロジーの力によって人権を擁護していこうという思想。煩雑な法的手続きをチャットボットが肩代わりすることで、市民が本来受けられる権利を享受できるようにしようという考えです。

2014年に同社を立ち上げたJoshua Browder氏は、スタンフォード大学に通う若干二十歳の若者。フォーブスが選ぶ「30アンダー30」(30歳以下の重要人物30名)にも選出された人物です。

そんなDoNotPayによるチャットボットが、このたび難民申請にも対応しました。申請できる亡命先はアメリカとカナダ、イギリスの3か国。各国の弁護士と協同での開発だそう。

Facebookメッセンジャー上で、「移民先の国はどこですか?」「あなたの安全を脅かす脅威は何ですか?」といったいくつかの質問に答えるだけで、移民申請書が作成されるというものです。

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まだローンチから1週間たらずですが、BBCやGuardian紙で紹介されたこともあり、すでに約5,000件もの利用があったそう。同社の他のチャットボットと同じく無料で使えます。

Browder氏いわく「小金を稼ぐつもりはない」とのこと。

今後の課題は、より多くの難民が使える環境を整えること。難民の多くはネットのリテラシーが高くないため、Facebookメッセンジャー上のチャットボットはベストなチャネルではないとの声もあがっています。また現状は英語にしか対応していません。

Browder氏によると、今後は対象プラットフォームをメッセージアプリのWhatsAppにも広げるほか、アラビア語にも対応させる方針だとのこと。

ネットで反発、脅迫メールが数百通届く事態に

今回の難民申請対応が、欧米の大手メディアで称賛される一方で、移民に反対する層からは反発する声もあがっています。

ルイジアナ州の元政治家で白人至上主義団体のクー・クラックス・クランの元最高幹部でもあるDavid Duke氏は、新機能がリリースされた直後に、早速Twitter上でBrowder氏にかみついています。

「イスラエル人が、アメリカへの難民申請のためにロボット弁護士を開発したらしい。ただそもそもイスラエルが受け入れたらどうなんだ?」

これに対してBrowder氏はこう反論しています。

「私はイスラエル人ではない。あなたは白人至上主義の人種差別者だ。トランプですらあなたとは関わりたくないだろう」。

「あなたはユダヤ人だ。にもかかわらずあなたはイスラム教徒をイスラエルではなくアメリカに送り込んでいる。なぜだ?有能な移民を受け入れればイスラエルの利益になるはずなのに」。

さらにBrowder氏のもとには、同じく移民に反対する層から数百通に上る脅迫メールが送られているそう。一方でBrowder氏を称賛し、Duke氏らを非案するツイートも相次いでおり、賛否両論含め大きな話題になったようです。

「David Dukeのような人たちをいら立たせているということは、何かしら正しいことができているということだ」(Browder氏)。