AI EXPOから見る、2018年のAI活用

4月4日〜7日に開催された第2回AI・人工知能EXPOは盛況のうちに終わりました。来場したみなさまは押し寄せる人の波に、注目度の高さと今後の盛り上がりへの期待を感じたのではないでしょうか。

このメディアを運営するインキュビットも、このイベントにブース出展し、お客さまの声をお聞きしました。今回はその内容と、展示物から見えるいくつかのトピックスについて考えてみたいと思います。

1.「工数削減」「リソース管理」は喫緊の課題


AI活用のよくあるケースとして、人の手で行なっている作業を代替することによる「工数削減」があります。

このように費用対効果が見えやすく、なおかつ最終的な改善ポイントが明快なプロジェクトやソリューションについては比較的スムーズに導入が進み、最近ではさまざまな事例として紹介されているように見受けます。ご来場者からも具体的な技術についての質問や、運用時のコストや導入に必要な設備の確認など、詳細な条件の確認があったことが印象的です。

また。実際の運用後の課題点なども少しずつ見え始めております。人と比べた時のコストをどう評価するか(単純なROIでなく長期の視点)、アルゴリズムのアップデートはどの頻度で行うか、横展開の際に注意する点は何か。そういった少し先の話も、各ブースでお客さまと出展者でお話をしている姿をお見受けしました。

2.全体的な取り組みについて未着手


一方では人工知能について全社的な取り組みを考えている企業の方も「まだ調査段階」「何から着手していいかわからない」という声もいくつか見受けられました。

「AI」というバズワードに目がいきがちですが、実際のケースではアルゴリズムそのものよりも、データをいかに活用していくかということが重要になることの方が多いように思います。また、それに付随する「定常的なデータ取得のフロー」「精緻なデータの収集/クレンジング」など、人工知能を利用する前段階の作業についても真剣に考える必要があります。そういった地味ではあるが、非常に大事な、なおかつ面倒な作業が山積しているのが多くの現場における実態ではないでしょうか。

上記のような作業工程は人工知能の精度や継続的な運用における効果増大に影響を与えます。ただ、技術にある程度通じていないと、その必要性は理解しにくいものでもあります。そのため、上長や関係各所に対する説明に時間がかかっているような印象も。一朝一夕ではいかない担当者の嘆きの声も、いくつかお聞きいたしました。

3.技術的な領域においては、裾野が拡大中


RPAとチャットボットがAIを利用したソリューションとしては依然として主流ですが、その他の分野でも各種サービスが出始めています。

下記に挙げるのは、そんな一例です。

OPTIM「スマートやさい」
AIを使って病害の検知などを行う「スマートやさい」は、その他にも各種サービスが利用可能な農業向けのプラットフォームです。IoTやドローンといった最新テクノロジーを、トレンドという目線でなく、最適な選択肢として使い分け、実際のパフォーマンスに反映させている点が非常に注目です。

今後は各分野で、こういった複合的な技術を用い、有効性を高める取り組みが増えていくことが予想されます。

ABEJA「ABEJA INSIGHT for Manufacture」
展示会場中心に大きなブースを構えたABEJAさまのブースは、人で賑わう会場内でも特に立錐の余地がないほどの盛況ぶりでした。

今回はパートナー各社との展示となっており、各分野での利用が進んでいるところをアピール。主に工場向けの「ABEJA INSIGHT for Manufacture」は導入フローのわかりやすさから、主にメーカーのみなさまの注目を浴びていた模様です。

前述の通り、工数削減は喫緊の課題かつ効果が明快。価格や必要なデータセットが明確で。社内の説得もスムーズそうな印象でした。

FRONTEO「KIBIT」
自然言語解析関連で注目を集めたのが、FRONTEO社が提供する「KIBIT」を利用したソリューションです。

アルゴリズムにプラスして同社がこれまで培ってきたノウハウが搭載された「KIBIT」は、さまざまな利用シーンでそのコア技術を使えることが特徴。必要な文書や情報の検知、文書ないしはコミュニケーションの解析によるビジネスチャンス・危険の検知など、が代表的な例です。

こういったソリューションの使いどころに悩むお客さま向けのケアもしており、一連のあ行全体を任せられる点も魅力がありました。

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今回のEXPOを振り返ると日本でもようやくAIの本格的な利用に関してスタート地点に迎えたのかな、という印象です。今後はさらに新しい分野への展開や、ビジネスでの実用性アップなどが見込まれます。引き続き情報のキャッチアップと、自分の手でやって素早くノウハウをためていくことが必要ですね。